タイムカードの恋 2002.02.02 熊崎 吉記

朝起きて出勤するまでの時間
憂鬱な時間
前日に隠れた失敗がないか
不安に襲われたりもする
出勤途中で飲む一杯のコーヒー
頭の中を切り替えてくれる
貴重な時間

会社に入り
タイムカード押したときから
復活する僕の思考回路
全ての過去を知る女性と
共に仕事する瞬間
見開いた瞳で会話してしまうので
ちょっぴり困り顔の彼女
でも、自然に流れる時間
言葉に出さなくても
想いが通じ合うのか
たまに、意思疎通が奇跡のように
上手く行くときもある
これほど上手く行く関係なのに
タイムカードを押すと終わってしまう
それまで、何も無かったかのように
また、もとの世間の風に打ちのめされた
自分に戻ってしまう

タイムカード押してる間
もう一人の頑張れる自分が、そこに居る
そしてちょっぴり楽しい時間
満たされた時間なので
偽りの時間でないことを祈るばかり





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